コラム        『飲食店繁盛のヒケツ』

島津 好孝
島津 好孝
株式会社LINK&VALUE
代表者

■経歴:
1994年に東京農業大学を卒業後、大手外食チェーン店に入社し、店長、マネージャーを経験。 2004年に船井総合研究所に入社して、飲食業・ホテル業を中心にコンサルティング活動を実施。 2007年、株式会社LINK&VALUEを設立し、代表者に就任。
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■専門分野:
コンセプト設計 メニュー開発 店舗施工 販売促進 教育

競合との戦い方


どんなお店でも競合店といのうは意識されていると思います。 今回は競合との戦い方をお伝えしていきます。

1 プロ飲食店のあるべき姿
飲食業において商売が成り立つ場所でのブルーオーシャン業態というのは存在していません。 ましてや日本の将来推計人口推移からマーケットは縮小することが分かっています。 どんな業態であれ、競合店との競走に勝ち続けなければならないのです。 つまり、時流や環境の変化に適応できるお店だけが生き残ると考え、 常にお客が納得する価格と味を追求することがプロ飲食店のあるべき姿と考えます。

2 参入障壁を必ず持つこと
マネしようと思ってもマネができない要素をいくつ持てるか? それが参入障壁であり業態のコンセプトにも深く関わってきます。 一般的に参入障壁と言うと、初期投資や設備面、規模の問題が出てきますが、 飲食業においては、あなた個人にしかできない圧倒的な価値のある仕入れルートを持つ、 あなたの会社でしか実現できない運営方法がある、独自の調理レシピや技術を持つ、等です。

3 1点突破戦略を実現する
1点突破とは、一部の要素でも良いので自店商圏内において自店舗の力相応な部分で、 1番と言われる評価を手にすることです。 品揃え、価格、店構え、QSCA(品質、サービス、クリンネス、雰囲気)にて、 平均のお店というのが一番多いのです。 お店に欠けている部分は、この際目をつぶりましょう。 ●●と言えばあなたのお店と思い浮かばれるような要素を作り上げ、磨きあげてください。 1点突破すれば、欠点もより目立たなくなるものです。

4 1点突破後の全面展開
1つの長所を更に成長させること。 更に、2つ目、3つ目の長所を増やすことが経営課題となってきます。 経験上、1点突破した店は、その関連商品が充実していく傾向があります。 頂きがあがれば、山の裾野のように平均も上がってくるのです。



5 包み込み戦略
1番店の取るべき戦略は競合店アイテムの包み込みです。 競走相手の売れ筋商品を自店にも取り入れていくことです。 1番店の場合、1点突破商品が認知されているので、 競合の商品を導入しても業態の軸がぶれることがありません。 逆に、1点突破できていないお店がこれを行うと、 何がウリかわからない状態となり失敗する確率が高いのです。

6 MIX粗利の管理能力
成熟した飲食業界では、お客が納得する価格と味の要求レベルが毎年上がっています。 そこで、MIX粗利にて収益をコントロールする技術がますます求められます。 ここでの成功ポイントは一人あたりの商品注文数をいかに向上させるかということです。 バイキング形式の店では当たり前の発想ですが、 普通のお店ではトップダウンでしか実現しにくい部分でもあります。 原価率100%超の集客商品は、赤字部分を広告宣伝費と割り切ったり、 その他の商品との組み合わせ販売で利益を確保する手法です。 単品販売の専門店では、主力商品ではなくサイド商品での品揃え展開力が必要となります。

7 信徒を作れ
今までの要素とは関係なく、安定経営できているお店もたくさんあるのも事実です。 そこには、信徒と呼ばれるような常連客がついています。店主やスタッフとの交流が目当ての場合や お客の人生になくてはならないようなお店です。 突き詰めると、人間性の向上が一番大切だということです。

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